サステナビリティ・レポート2020を公開しました

サステナビリティ・レポート2020を公開しました

サステナビリティ

サステナビリティは、テクノロジー企業である私たちにとって「チャレンジ」であり「チャンス」です。

私たちテサグループは、毎年数百種類以上の新製品を世に送りだしています。企業や一般家庭まで、様々なシーンでご利用いただいています。500名以上が在籍する開発部門はもちろん、世界中で計4,700名以上の従業員が「テサの事業活動によって生じる地球環境への影響を最小限に抑えるためにできること」を常に念頭に置いています。もちろん、頭で考えるだけではありません。地球環境にやさしい製品をお届けすることで、自然とサステナビリティへ貢献しています。

このたび、最新版のサステナビリティ・レポート2020(英語)を公開いたしました。2020年に実施した取り組みの実績や、最新データを48ページにわたってご紹介しています。テサグループが「エコロジー」「社会的」「経済的」な観点でサステナブルな活動をおこなうためにこれから実施する施策についても、レポート内で明らかにしています。また、2020年に策定したサステナビリティ・アジェンダをご紹介しています。イラストを交えて様々な取り組みを可視化することで、サステナビリティの多様さを理解しテサグループに関わるみなさまがサステナビリティについて理解を深めていただくきっかけになればと願っています。

2020年は、サステナビリティに関する取り組みにさらに注力することを明確に宣言した1年でした。「サステナブルに成長すること」がグループ全体における事業戦略の中心となりました。
Dr. Norman Goldberg

tesa SE(グローバルHQ)CEO

Dr. Norman Goldberg

2020年に達成したこと

2020年は世界中の多くの企業や人々にとって苦難の年でした。しかし、だからこそグローバル企業としての責務を果たすべきだという強い信念のもとでサステナビリティへの取り組みを続けることができました。

サステナビリティ・レポート 2020より抜粋
  • 100%達成:2020年末までの達成目標「クリーンな電力を使用する」という大きな課題を達成しました。世界中に点在するテサグループの拠点で使われている電力の100%は、再生可能エネルギーを購入しています。
  • 31%達成:原材料などの仕入れ先(サプライヤー様)に対し、第三者によるサステナビリティ評価の実施を推奨するプログラムを開始しました。直接仕入れの31%を占めるサプライヤー様からご協力を得ています。
  • 23%達成:2018年との比較でCO₂の排出量(スコープ1とスコープ2)を23%削減しました。「2025年までにCO₂排出量を30%削減する」目標達成に向けて、大きな一歩を踏みだしています。

効率よく資源を使うことや、原材料や廃棄物・エネルギーの使用を減らすなど、23種類のサステナビリティ・プロジェクトを実施しています。テサグループの全社員が世界中でこれらのプロジェクトに参加・貢献しています。具体例として、イタリアの工場に導入した水蒸気のリカバリシステムが挙げられます。このシステム導入により、必要となる水やエネルギー量を大きく削減することができました。この工場で働く従業員は、自然とサステナビリティに貢献していることになります。

様々な取り組みやその結果は第三者によって評価いただいています。昨年、EcoVadisサステナビリティ評価で銀メダルが授与されました。私たちのサステナビリティの取り組みがこの業界で平均以上であることが認められたと考えています。2020年は、名実ともにサステナビリティがテサグループ企業戦略の中核になった「変革の年」になりました。

テサのサステナビリティ・アジェンダ

サステナビリティ戦略のコアとなっているのが、新しく策定した「サステナビリティ・アジェンダ」です。テサグループ全体が一丸となって取り組むための方向性や考え方を示した図になっています。バリューチェーン全体を対象に、よりサステナブルに成長するための目標を掲げています。様々な取り組みを「地球環境(Environment)」「お客様(Customers)」「社会(Society)」という3つの柱に分類しています。サステナビリティ・レポート2020では、テサの掲げる目標について具体的にご説明しています。

私たちは、「2050年までに完全にクライメイト・ニュートラルな企業になる」という大きな目標を掲げています。企業活動によって生じる温室効果ガスの排出量と温室効果ガスを削減した量を相殺することで、地球環境への影響を最小限に抑えるという考え方です。この決意のもと、2020年に「気候変動1.5℃コミット」へ参加しました。世界全体の気温上昇幅を1.5℃以内に抑えるため、各国のグローバル企業が一丸となって様々な施策を導入・実践しています。これまで参加を表明したグローバル企業はわずか400社程度にとどまっています。

私たちはサステナブルな製品の販売を今後5年間で大幅に増加させること、梱包材をより環境にやさしいものへ置き換えることを目標に掲げています。さらに、よりよい社会を実現するための取り組みも継続していきます。国連の定める17つの持続可能な開発目標(SDGs)達成や、加盟している国連グローバル・コンパクトの掲げる10種類の国際課題(人権、平等な労働条件、環境保護、腐敗の抑止など)についても継続して取り組みをおこなっていきます。

サステナビリティ・アジェンダ2020
サステナビリティ・アジェンダは社員やサプライチェーンに関わるみなさまが対象となるガイドラインであり、すべての意思決定プロセスの道しるべです。
Dr. Norman Goldberg

tesa SE(グローバルHQ)CEO

クリーンな大気・土壌・水のために

排気ガス「ゼロ」へ

排気ガスを減らすために、どうすればよいでしょうか?私たちはこの課題を解決することができるまで努力を惜しまないことをお約束します。

粘着テープををはじめ「くっつける」業界のパイオニアとして125年以上の経験をもつ私たちにお任せください。これまで培ってきた強みを活かし、サステナブルな製品やものづくりのプロセス開発をおこなっていきます。

さらなるサステナビリティへの取り組みをおこなう企業様や、パートナー企業様と一緒になってこの課題解決に挑みます。

もっとサステナブルな製品へ

再生可能な原料やリサイクル可能な原料を多く採用し、より環境にやさしい製品の開発を進めています。また、私たちの製品が使用されている最終製品が最終的にどのようにリサイクルまたはリユースされるかを考慮し、よりよい製品の開発に役立てています。よい例が、tesa® 4713 梱包用粘着テープです。粘着剤に天然ゴムを使用した環境にやさしい粘着テープで、FSC認証を受けた製品です。

tesa® 4713 梱包用粘着テープ

サステナビリティに大きく貢献できる製品をご提供できるよう、これからも製品開発に注力してまいります。そのためには、同じ目標を掲げるお客様やパートナー企業様との緊密な連携が重要だと考えています。一緒にイノベーションを起こしましょう。

今現在も、粘着テープがサステナビリティに貢献している分野があります。暮らしに身近なスマートフォンが廃棄・リサイクルされるとき、部品に粘着剤が残らず簡単・きれいに外すことができるtesa® ボンド&ディタッチという製品が多くの機種に採用されています。リサイクル工程の簡略化ができ、大切な資源を守ることにつながります。直近の2~3年間で、世界中のスマートフォン15億台でtesa® ボンド&ディタッチが採用されています。目に見えないところで、粘着テープがサステナビリティの取り組みに役立っています。

Nachhaltigkeitsbericht_TESA_Cackovich
環境にやさしい製品というカテゴリは当たり前になりつつあり、需要やご要望も増えてきています。今後5年間でサステナブルな製品のシェア拡大を目指します。
Angela Cackovich

法人事業統括責任者

困難なときこそ、つながりを大切に

2020年はコロナウイルスが猛威を振るい、国際的に経済・社会へ大きく影を落としました。このパンデミックにより、私たちテサグループ全体のあり方も大きく変化しました。社員の健康を守るため、大部分の社員が自宅でテレワークが必須となり、製品を製造する工場勤務の社員はこれまでにない高いレベルでの健康管理や消毒などの衛生管理をおこなうことになりました。

これまでにない困難な時期だからこそ、テサグループ史上で最大級となる寄付プログラムをスタートさせました。

2021年末までに、世界中で合計500万ユーロ(日本円でおよそ6億円)へ寄付する予定です。コロナ禍での社会的・人道的支援をおこなっている団体やプロジェクトの支援に活用していただきます。これまで、医療現場の最前線で命がけの活動をおこなっている「国境なき医師団」や、各国で子供たちへの教育現場を支援している「セーブ・ザ・チルドレン」のプログラムに賛同し、コロナ対策の緊急支援策として寄付をおこなっています。さらに、各国で感染状況やくらしへの影響が異なる状況を考慮し、きめ細かな支援を行うためテサの拠点(各国の法人)が責任をもって寄付先を決める施策を実施しています。アジア・北米・南米・ヨーロッパ各国のテサグループ企業がグループの理念に基づき、大小様々な団体に対して寄付をおこないました。グループとして新たに掲げたスローガン「tesa holds the world together(世界をひとつに)」は、これからの未来を生き抜くための指針です。これからのサステナビリティの取り組みに対しても、同じスローガンのもと真摯に取り組みます。

One of the main priorities for MSF is the safety of health workers, and that is why all the staff must follow strict protocols in terms of safety and security

国連グローバル・コンパクトとSDGs

独自に策定したサステナビリティ・アジェンダに加え、別の国際的枠組みに即した活動を続けています。私たちテサグループは2006年から国連グローバル・コンパクトに加盟しており、国際的に承認されている社会的・環境保全的な基準に沿った企業活動をおこなっています。グローバル・コンパクトが定める10の重要課題(人権、平等な労働条件、環境保全、腐敗の抑止など)は、私たちの行動指針の基礎として根づいています。2018年以降は、国連の定める17つの持続可能な開発目標(SDGs)達成のための取り組みにも力を入れています。2020年の取り組みで特に大きな成果をあげることができたのは、次の3つです。

  • 目標 7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに
  • 目標 8:働きがいも経済成長も
  • 目標 13:気候変動に具体的な対策を
SDGsの取り組みで成果をあげた3つの目標

サステナビリティ・レポート2020

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