Tape Art @ tesa HQ

トレンド

プロのアーティストをお招きして、社内の壁面にテープアートを施していただきました。鮮やかな色彩と繊細な表現は、私たちの記憶に残る強いメッセージを届けてくれます。

著者 Dörte Besinger,

テープアートの起源

街中で見かけるストリートアート(グラフィティ)は、スプレー塗料が使われています。そのため「エアロゾールアート」と呼ぶことも。色とりどりのテープを貼りつけて表現するテープアートが誕生したのは1960年代ごろだと言われています。都市部でスプレー塗料の代わりに粘着テープを使う人が現れたのがきっかけです。

スプレー塗装は手軽な反面、健康を害するエアロゾル(液体や固体などの微粒子、飛沫のこと)を吸い込んでしまう危険性が潜んでいます。対して粘着テープは素早く確実にアートを施すことができ、アーティスト自身の健康を害することなく安心して制作活動に打ち込むことができます。レンガやアスファルト、木材、金属、ガラスなど様々な素材の表面にも貼りつけられ、スプレー塗装で必要なステンシルやマスキングも使いません。スプレー塗装と違い「剥がせる」ことも大きなメリットになります。

グラフィティとテープアートの融合
グラフィティとテープアートの融合

ベルリンに拠点をおくグラフィティアーティストのベイセル・エンダーと、国際的なテープアート集団「Tape Over(テープ・オーバー)」の合作。ÏMAデザインビレッジ(ドイツ・ベルリン)の壁に描かれています。

この数十年間、テープアーティストの作品は何度もメディアの注目を集めてきました。2009年には、ストリートアーティストとして最も有名なアーティストの一人であるエル・ボチョ(El Bocho)が制作したシュタットバッドウェディングのテープアートが脚光を浴びました。

ベルリンの壁崩壊から20周年となった記念企画で、40kmもの粘着テープを使って街中に様々なアートを施しました。当時この壮大な作品は大きなセンセーションを巻き起こしました。

スラヴァ・オスタップが手掛けたテープアート「The Hände」
The Hände(ザ・ハンド)

ベルリンに拠点をおくアーティスト集団セルフメイドクルー(Selfmadecrew)に所属するスラヴァ・オスタップによる作品。茶色の梱包テープで手を表現しています。この作品はアートギャラリー「The Haus - Berlin Art Bang」に展示されました。

2015年、オッフェンバッハ・アム・マインに拠点をおくハイネアートファクトリー(NPO団体)が欧州で初めてテープアート展を開催しました。当時欧州で活動していたテープアーティスト7名と2つの団体が手掛けた作品が展示されました。

2016年10月にはベルリンのギャラリー「ニューロティタン」で国際テープアートコンベンションが開催されました。ドイツのチーム「テープ・ザット(Tape That)」をはじめ、バフ・ディス、スラヴァ・オスタップ、ベンジャミン・マーフィー、マックス・ツォルンなど、多くの著名なアーティストたちがこのイベントに参加しました。

Tape Overが手掛けたテープアート「crane」
テープアート「crane(鶴)」

ベルリンに拠点をおくアート集団「テープ・オーバー(Tape Over)」の作品。中国・北京で4m×7mの壁に鶴を表現した大作。

テープアート制作中の様子
テープアート制作中の様子

Tape Overに所属するアーティスト「エンニ」。テサグループが目指すビジョンをモチーフに、アート作品を制作していただきました。

Tape Over(テープ・オーバー)

2011年から活動する、粘着テープを使った国際的なアーティスト集団。設立当初はナイトクラブにアート作品を制作する活動に取り組む。ストリートアートとアーバンアートの要素をミックスしたスタイルで、多様性と細かい表現が特徴。

記憶に残るテープアート

常に新しい粘着テープを生み出しているテサグループの本社は、テープアートの発信地とも言えます。2015年にハンブルク郊外のノルダーシュテットへ本社ビルを移転後、新しく設置されたコミュニケーションエリアや会議室には様々なテープアートが施されました。ベルリンに拠点をおく国際的テープアート集団のテープ・オーバーに所属するアーティスト「エンニ」による作品です。

メッセージを人に伝える手段はたくさんあります。科学的な研究では「視覚に対して強い刺激を与える」「文字数を減らす」この2つの要素が組み合わさったとき、より強く人の記憶に残ることがわかってきました。

テサの粘着テープ製品を使って作られた「サムシング・フォー・アイ」は、ひとつのアートをコミュニケーション戦略へとつなぐ架け橋のような役割を果たしています。洗練されたアートでありながら、私たちの目指すビジョンを象徴化して伝えてくれる素晴らしい作品に仕上がっています。

制作していただいた作品は、自社ビル内の至るところにあります。制作には計18巻の粘着テープを使用し、総制作時間は18時間にのぼりました。エンニはこの他にもテサのマーケティング部門と共同プロジェクトに参加してくださっています。これからも一緒に素晴らしい作品をつくりあげていけることを楽しみにしています。

制作過程の様子