ある工程で複雑な部分が成長のボトルネックになっていると、その課題を解決するべく技術の発展が生じます。そのため近年の粘着テープの分野では、製造現場の効率化と精度向上を後押しするような製品技術の開発が進んでいます。
たとえば自動車業界では、テサはポルシェと共同でホールカバーテープを自動で貼りこむシステムを開発。ロボットでの貼り付けに対応したダイカットテープと製造ラインに適したアプリケーターシステムを組み合わせることで、製品そのものだけでなく、穴塞ぎという工程全体の改善につながることを示しました。
一方、エレクトロニクスやEVバッテリーの分野では、テサのボンド&ディタッチ(ストレッチリリーステープ)の技術が、修理・再使用・リサイクルに向けた易解体性を可能にし、分解を前提とした設計を支えています。さらに、この他の易解体(Debonding on Demand)の技術開発を進めることで、製造の柔軟性向上、循環性の向上、環境負荷低減に貢献しています。
最良のイノベーションは単一の課題を解くだけでなく、スムーズな工程を実現し、仕上がり品質を高め、生産ラインの自由度を広げます。