粘着テープは基材、粘着剤、はく離剤などが層のように積み重なっています。

粘着テープになくてはならない
プライマーやはく離剤・はく離紙について

強力な粘着テープでもロールから簡単に巻き出すことができますが、なぜか疑問に思ったことはありませんか?プライマーやはく離紙、剥離剤の役割についてご説明します。



粘着テープの構造

粘着テープの構造
粘着テープの構造

粘着テープの部材で最も重要となるものは粘着剤(感圧接着剤)基材です。粘着テープはそれぞれの特徴を組み合わせて用途にあった機能や性能のものを選択することが重要になります。こちらの記事では、縁の下の力持ちであるプライマーやはく離剤、はく離紙についてご紹介します。

プライマー(Primer)は接着力を向上させるための下地として塗装などの工程で広く使用されていますが、粘着剤を基材に定着されるため一部の粘着テープでも使用されています。

はく離剤(剥離剤:Release Coating)も粘着テープには欠かせない要素です。強力に接着できる粘着テープでもロールから簡単に巻き出すことができますが、なぜか疑問に思ったことはありませんか?巻き出しの重さや軽さに個人の力の強さは関係なく、はく離剤の層が関係しています。

→粘着剤(感圧接着剤)について詳しくはこちら
→基材の役割や種類について詳しくはこちら

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プライマーとは?

ではプライマーとは何でしょうか?粘着テープのプライマーは、粘着剤のアンカー力(あんかーりょく)を向上させるために使用されています。基材によっては、プライマーを塗布し基材に粘着剤をしっかり定着させる必要があります。例えば塗装を行う際に用いられるマスキングテープですが、塗装後にはがすことが前提であり被着面(貼りつけ面)に粘着剤が残ることがあってはなりません。粘着剤が基材から離れ「のり残り」が発生しないようにするため、プライマーで粘着剤を基材にしっかり定着させることが必要となります。

両面粘着テープによる部品の固定などでも、プライマーが重要となる場面が多くあります。例えば両面粘着テープで壁に鏡を貼りつけるときに粘着剤のアンカー力が不足していると、鏡など貼りつけているものの重さに耐えきれず粘着テープの層が壊れて落ちてしまうことがあります。どんなに粘着力の高い粘着テープを用いても、基材にしっかり定着していなければ本来の性能を発揮することができません。

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プライマーと「極性」について

基材の表面を顕微鏡で観察すると、凹凸のあるものと平滑なものに分けることができます。特にプライマーを必要とする基材は、表面が平滑なものです。これらの素材はまとめて難接着材料と呼ばれることが多く、専門的な言葉で表面自由エネルギーが低い(低極性)と表現します。ポリエチレン(PE:PolyEthylene)やポリプロピレン(PP:PolyPropylene)、テフロン®テフロン<sup>®</sup>は、デュポン社の商標です。で知られるフッ素樹脂(ポリテトラフルオロエチレン/PTFE:PolyTetraFluoroEthylene)、ゴム、シリコーン(Si:Silicone)等が難接着材料の代表として挙げられます。

プライマーをこれらの難接着材料に塗布することで表面自由エネルギー(極性)を高めることができるため、粘着剤が基材に定着する力を高めることができます。

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はく離剤とはく離紙(ライナー)について

両面テープを使う際にはがして捨ててしまうはく離紙。使い勝手や加工のしやすさに貢献している縁の下の力持ちです。

はく離剤やはく離紙も、粘着テープには欠かすことのできない重要な要素です。粘着テープにはく離剤やはく離紙がなければ、粘着剤がしっかりと貼りついてしまい、ロールから巻き出すことができなくなってしまいます。

はく離紙(Release Liner:ライナー、セパレーター)は、主に両面テープについています。紙やフィルムにシリコーンコーティングを施したものが一般的です。はく離紙は粘着剤がつかないようにする以外にも重要な役割があるため、同じ基材・粘着剤の粘着テープでもはく離紙が異なるタイプの製品がある場合もあります。紙素材のはくり紙が多くの粘着テープで使用されていますが、ダイカットなど貼りつけ前に所定の形に加工する場合は、丈夫なポリエステル素材のはく離紙が適しています。粘着テープが湿気のある場所に保管されることが想定される場合は、紙にポリエチレンコーティングを施したものが使用されます。はく離紙が湿気を吸って膨張することを防ぐためです。

片面粘着テープの基材や両面粘着テープのはく離紙の背面には、はく離コーティングが施されています。軽い力で巻き出すことができるため、使い勝手がよくなります。また、自動化された装置などで安定してテープを巻き出す際にも重要な役割を担っています。はく離コーティングが粘着剤の表面に残ると粘着力が大きく低下してしまうため、粘着剤に合わせた配合やコーティング方法など様々な工夫がされています。

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はく離紙の種類と特徴

ロール状の粘着テープを巻き出し、正しく貼りつけを行う際に必要となるはく離紙(ライナー、セパレーター)。用途に合わせて様々な素材のものが使われています。

  • グラシン紙:一般的に広く使われている汎用タイプ。
  • PEコート紙:紙にポリエステルコーティングを施したもの。耐湿性に優れる。
  • MOPPフィルム:寸法安定性に優れ、ダイカット加工や自動工程での用途に用いられる。
  • PEフィルム:フォーム基材の粘着テープに適している。
  • PETフィルム:精密なダイカット加工に適している。リントフリーのため、エレクトロニクス業界でよく用いられる。
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素材

グラシン紙

PEコート紙

MOPPフィルム

PEフィルム

PETフィルム

特徴

▪ 手切れ性あり
▪ 引張強度に優れる
▪ 静電気を帯びにくい

▪ 吸湿しにくい
▪ 寸法安定性に優れる
▪ 手切れ性あり

▪ 寸法安定性に優れる
▪ 引張強度に優れる
▪ 耐湿性に優れる

▪ 柔軟性に優れ、厚みのある粘着テープに最適

▪ 耐熱性に優れる (最大150°C)
▪ 厚み公差が小さい

▪ 高密度な紙で安定性に優れる
▪ ダイカット加工が可能
▪ 安価

▪ 引張強度に優れる
▪ 静電気を帯びにくい
▪ ダイカット加工が可能

▪ 厚み公差が小さい
▪ ダイカット加工が可能
▪ 半透明

▪ 耐湿性に優れる

▪ 薄手かつ寸法安定性に優れる
▪ ダイカット加工やキスカット(ハーフカット)加工が可能
▪ 透明