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様々な用途で幅広く使用されているアクリル系粘着剤の粘着テープ。性能や特徴・用途だけではなく、性能の高さを可能にしているポリマー構造や製造工程についてもご説明します。
アクリル系粘着剤(感圧接着剤:PSA)は他の粘着剤と比較するとタックが低いため、最大の粘着力を発揮できる状態になるまで時間がかかる傾向にあります。しかし紫外線(UV)やオゾン、高湿な環境への耐性が非常に優れており、かつアクリル系粘着テープは高い透明性をもつためガラスや透明プラスチックを接着する用途に最適です。また、耐老化性に優れているため、黄変することなく透明性を保つことが可能です。耐熱性にも非常に優れているため、屋外で長期間使用する用途に最適なソリューションと言えます。
アクリル系粘着剤は高極性の素材に対して高い粘着力とタックを発揮します。高極性の素材はポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、アルミ、スチールなど、表面エネルギーの高い素材が代表として挙げられます。
上述のような耐候性の高さや透明性、耐劣化性などの特性を生かし、部品の永久固定や高い性能を求められる用途で広くアクリル系粘着剤が使用されています。例えば、自動車の部品固定や太陽光発電モジュールのパネルラックへの取りつけ、電気モーター内の磁石の固定、金属やガラス製家具の組み立て、またはファサード(建物の外壁材)の固定などが挙げられます(装飾部材の接合に適したアクリル系粘着テープ)。
■主な特徴
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アクリル系粘着テープを人間に例えるならば、オリンピック選手です。必要な時、瞬時に最高のパーフォーマンスを発揮することができる点が共通しています。特定の用途(オリンピック選手であれば種目)で必要とされるトップクラスの能力を備え、必要なときに最高のパフォーマンスを発揮します。
テサでアクリル系粘着剤(感圧性接着剤:PSA)が初めて導入されたのは、1956年でした。アクリル系の粘着剤がオリンピックアスリートのような最高のパーフォーマンスを発揮する理由として、様々な条件・環境への耐性に優れていることが挙げられます。アクリル系粘着テープは紫外線(耐UV)、風雨などの耐候性、溶剤、可塑剤などに対し、高い耐性があります。テサでは粘着テープの用途に合わせてアクリル系の粘着剤を配合または重合して独自のアクリル系粘着剤を生産しています。配合や重合の工程で使用されるモノマーを適切に選択することで、アクリル系粘着剤が発揮する高い性能を精密に調整・コントロールすることができるためです。
天然ゴムや合成ゴム系の粘着剤とは対照的に、アクリル系粘着剤にははじめからタック(べたつき)があります。アクリル系粘着剤は長い鎖状のポリマー(高分子)を様々な手法で架橋結合したものです。そのため、天然ゴムや合成ゴム系の粘着剤とは異なる次元での高い性能を実現することができます。引きはがし粘着力を高めたり、タック性能を向上させるため(粘着剤が被着体になじむ時間を短縮するため)、アクリルポリマーにタッキファイヤーと呼ばれる粘着付与剤(樹脂)を添加することもあります。しかしこのタッキファイヤーを添加すると粘着剤の凝集力に変化が生じるため、配合の調整が重要になります。
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アクリル系粘着剤は長い鎖状のポリマー(高分子)を化学反応やUV照射、電子ビーム焼入れなどの様々な手法で架橋結合させています。
テサ・ハンブルク工場の重合施設
アクリル系粘着剤の塗工技術には、従来型の溶剤(水または化学物質)を使用するタイプと、上図のように溶剤を使用しないタイプがあります。①原料を加熱するヒーター ②原料を混ぜ架橋結合(クロスリンク)するミキサー ③押し出しなどの塗工装置 ④基材 ⑤巻き取りローラー
アクリル系粘着テープは、高いパフォーマンスが求められる用途でその実力をフルに発揮します。tesa ACXplus®アクリルコアテープで接着したファサード(建物の外壁材)は、大地震やサイクロンなどの自然災害にも耐えうるほど高い性能を誇ります。もちろんオリンピック競技に「過酷な条件下で恒久的に部品を固定し続ける」という種目はありませんが、非常に難易度の高い要件であることに変わりありません。一瞬のできごとではなく、最高レベルの高い性能を数十年にわたって持続しなくてはなりません。