1台の自動車に5km以上の電線を束ねるワイヤーハーネス
1本のワイヤーハーネスには、最大1,500本もの電線が使用されることがあります。異音や損傷を防ぐため、従来は人件費などのコスト面で有利な国でこれらの電線を手作業でテープ巻きし、完成したハーネスをOEMの組立工場まで長距離輸送する方法が一般的でした。
しかし、この生産方式はコスト増加につながるだけでなく、長距離輸送に伴うCO₂排出も発生します。
サステナビリティ
自動車業界を取り巻く環境は、さまざまな面で厳しさを増しています。CO₂排出量の削減が求められる一方、世界的に人件費も上昇しています。競争力を維持するためには、サステナビリティ目標への対応と経済性を両立しなければなりません。
欧州では、その解決策のひとつとしてワイヤーハーネス製造の自動化が検討されています。生産工程をOEMの主要生産拠点に近づけることで、物流経路の短縮、人手への依存度低減、品質やトレーサビリティの向上、コスト効率の改善を目指す取り組みです。
政治・経済の先行きが不透明ななか、欧州のOEMやサプライヤーはバリューチェーン全体で生産工程を見直し、コストを抑えながらサステナビリティを向上させる方法を模索しています。その中でも、自動化による変革の可能性が大きい工程のひとつがワイヤーハーネス製造です。
1台の自動車に5km以上の電線を束ねるワイヤーハーネス
1本のワイヤーハーネスには、最大1,500本もの電線が使用されることがあります。異音や損傷を防ぐため、従来は人件費などのコスト面で有利な国でこれらの電線を手作業でテープ巻きし、完成したハーネスをOEMの組立工場まで長距離輸送する方法が一般的でした。
しかし、この生産方式はコスト増加につながるだけでなく、長距離輸送に伴うCO₂排出も発生します。
ワイヤーハーネス製造工程の約90%は手作業で行われており、そのうちテープ巻き工程は生産時間の最大30%を占めます。世界的な人件費の上昇によってコスト負担が増すだけでなく、手作業には品質のばらつきや、それに伴う材料廃棄のリスクもあります。
欧州では現在、多くのOEMがコスト面で有利な地域で製造されたワイヤーハーネスを調達しています。完成したハーネスを主要な生産拠点まで長距離輸送することで、物流の複雑化やリードタイムの長期化、コスト増加、CO₂排出といった課題が生じます。
そこで注目されているのが、ワイヤーハーネス製造の自動化です。自動化によってOEMの主要生産拠点に近い場所での製造が可能になれば、輸送距離やリードタイムを短縮し、物流に伴うCO₂排出量の削減にもつながります。
欧州では、自動化に対応したソリューションを活用することで、ワイヤーハーネス製造をOEMの主要生産拠点に近づけ、輸送に伴うCO₂排出量を削減する取り組みが進んでいます。
こうした課題を背景に、欧州では業界各社が連携し、ワイヤーハーネスの製造方法そのものを見直す取り組みが進んでいます。
テサでは、Cellios (opens in a new window or tab)やTE Connectivity (opens in a new window or tab)などのパートナー企業と協力し、自動車向けの高速・全自動テープ巻きシステムの開発に取り組んでいます。目指しているのは、OEMの主要生産拠点により近い場所でワイヤーハーネスを製造できる、新しい生産コンセプトの実現です。
こうした協働を通じて、自動化に適した粘着テープと高度な貼り付け技術を組み合わせた包括的なソリューションの開発を進めています。自動化に対応したtesa®の長尺ロール、スプール、ダイカット製品は、将来のワイヤーハーネス自動化工程へのスムーズな組み込みを想定して設計されています。
パートナー企業とともに、高速化と安全性の向上に加え、高精度かつ標準化された工程によって材料廃棄を抑える、全自動テープ巻きソリューションの実現を目指しています。欧州におけるこれらの取り組みを通じて、ワイヤーハーネスの自動テープ巻き工程を包括的に支えるソリューションの開発を進めています。
「tesaとの協働によって実現してきた成果を誇りに思います。企業同士が力を合わせることで、私たちの業界にも、よりサステナブルな未来へ向けて変化を生み出す力があることを示しています。」
Cellios CEO兼共同創業者
欧州で進めているこれらの製品開発やパートナーシップは、ワイヤーハーネスをOEMの組立工場に近い場所で製造することを可能にし、長距離輸送に伴うCO₂排出の削減を目指すものです。
さらに、自動化には人件費の削減、工程の高速化、材料廃棄の低減など、さまざまなメリットがあります。
テサでは、高品質な粘着テープを提供するだけでなく、欧州ではお客様やパートナー企業と協力し、テープ巻きに特化したアプリケーターの開発にも取り組んでいます。直線部から分岐部まで、それぞれの工程に対応することで、ワイヤーハーネスのテープ巻き工程を包括的に支えるソリューションを目指しています。
テサでは、DIN 72036規格に沿って、ワイヤーハーネス製造の自動化に対応するさまざまな製品形態を展開しています。