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tesa® Twinlockに切り替えることで、クリスチャンセンプリント社は大きな強みを手にしました

当社の印版固定技術は環境に優しく印刷性能を改善することができます。これがクリスチャンセンプリント社が当社の印版固定技術を採用した理由です。

2019/10/02

この記事はドイツで雑誌Flexo+Tief-Druck(3-2019)に公表されました。

既に実証済みの製造プロセスを変更するためには、それだけ説得力のある議論が必要です。その良い例が、クリスチャンセンプリント社の行ったtesa®Twinlockへの切り替えです。
この変化は段ボール用印刷ラインに様々な利点をもたらしました。印版を固定する際に粘着テープが不要になったため、時間を節約し、無駄を省くことができます。さらに、tesa®Twinlockスリーブをテスト・実装した後では多くの場合で印刷速度が向上し、工程上の利点があることが明らかになりました。
クリスチャンセンプリント社では現在、300を超えるtesa®Twinlockスリーブが印版の固定に使用されています。わずか三か月の間に、イルゼンブルク工場ではtesa®Twinlockへの完全な切り替えが行われました。これらのスリーブの有効幅は2485 mmで、790 mmから2060 mmまで30種類の円周があります。

クリスチャンセンプリント社
包装用および展示用の段ボールライナーの印刷済み原反におけるヨーロッパ市場のリーダーであるクリスチャンセンプリント社は、2005年に設立されました。2016年からはTHIMMグループの子会社となっています。フランスとドイツに3つの生産拠点があり、ドイツのハルツにあるイルセンブルク工場で、世界最大の二台の圧胴フレキソ印刷機を稼働させています。 2017年からはHPのPageWide印刷機も使用しています。ノルトハイム(ドイツ)とガランシエール=アン=ボース(フランス)の印刷施設では、三台の最新型ベルトフレキソ印刷機が稼働しています。それぞれ異なる印刷技術を用いた三つの印刷機を組み合わせることで、技術的な補完を行っています。強力な印刷技術と170人を超える従業員を擁する同社は、年間約4億5000万m2の印刷を行うことができます。

tesa®印版固定用製品群に新しい選択肢
tesa®Twinlockは2018年にtesaシリーズに追加されました。したがって、現在では印版固定用途でのtesa

tesa®Twinlockの取り付け
tesa®Twinlockは標準規格のスリーブであり、コアの種類をご自由に選択して頂けます。その上に1.5 mm厚のオープンセルポリウレタン(PU)フォームが載っています。フォーム層は数年使用した後でも圧縮性を維持することが長年にわたる実績から確認されています。スリーブの印刷特性は基本的にこのPUフォームで決まります。その上にPETの補強フィルムを介し、粘着性アクリルフォトポリマーが配置されており、印版をきちんと固定します。さらに、スリーブの側端はフィルムで保護されており、汚れや溶剤の浸入を防ぎます。

tesa®Twinlockの取り付け
tesa®Twinlockの取り付け

最初の実証実験の結果は納得のいくものでした​
クリスチャンセンプリント社では、リーンマネジメントチームのプロジェクトマネージャーであるビョルン・ヴォロップ氏とマイケル・シュミット氏がプロジェクトを監督し、円周2000 mm(会社で最も大きいものの一つ)の7スリーブで最初の実証実験を行うことにしました。過去の経験から、大きなサイズで機能するものは通常、小さなサイズでも機能することが分かっていたからです。印刷品質と印刷機のパフォーマンスの面で、結果は最初から成功でした。例えば、印刷速度を200 m / minから最大500 m / minに上げることができました。加えて、厚さ1.5 mmのPUフォーム層の圧縮性により印刷機のはずみを低減することもできました。確かに最初の実証試験結果は有望でしたが、実際に新しいスリーブを使用することには、スタッフの間には懐疑的意見もありました。工程を変更しなければならないことと、この新しいスリーブが全ての印刷工程に適用可能か否かについて懸念があったからです。そのため実証試験の期間が延長され、円周1250 mmの二つ目のスリーブセットが購入されました。 二回目の実験ではtesa®Twinlockによってもたらされた肯定的な結果が再度確認され、印版固定・生産および管理チームでこの技術を支持する人は着実に増加しました。

tesa®Twinlockは何を提供しますか?​
tesa®Twinlockは特に、頻繁に使用されるシリンダーにおいて大きな効果を発揮します。クリスチャンセンプリント社の場合、tesa®Twinlockの導入により、印版固定工程を規格化することができました。印版固定用テープがなくなり、印版はアクリルフォトポリマーに直接取り付けられます。スリーブの表面はすべて中程度の硬さで選択されているため、固定工程の単純化とサプライチェーンのコスト削減が可能です。印刷に関しては、速度が向上し、多くの場合で速度を20〜30%上げることができました。速度を上げる能力は振動に対する感度の設計に依存することが分かり、大きな円周が振動を減らすのに役立ちました。スリーブの圧縮性が保たれることは、一定の印刷品質が長い製造期間にわたって維持されることを意味します。クリスチャンセンプリント社は、tesa®Twinlockは厚さの差が小さいため、粘着テープと比較して印刷のずれが非常に少なく正確であることも発見しました。 tesa®Twinlockの厚さは製造中および製造後にレーザーで測定され、 0.02mmの精度で調整されます。

Mounting a plate on a tesa® Twinlock sleeve at Christiansen Print
Mounting a plate on a tesa® Twinlock sleeve at Christiansen Print

FOUR MOMENTS Copyright

印刷特性曲線を調整する必要性の有無​
印版の固定方法を変更すると、トーン値が増加して印刷特性曲線が変化するのではないかという懸念がありました。クリスチャンセンプリント社では印刷特性曲線は以前と非常によく似ており、追加の調整は不要であることが分かりました。ハイライトのトーン値の増加はわずかに低く最大5%でしたが、それに応じて印刷圧力を増加させることは一般的に容易です。

Twinlock Activating Machine that is designed to clean the surface of the tesa Twinlock sleeve automatically
tesa® Twinlockの表面を自動でクリーニングするように設計されたTwinlockアクティベーションマシン

FOUR MOMENTS Copyright

全自動tesa®Twinlockアクティベーションマシン​
再利用時にtesa®Twinlockの粘着効果を復活させるには、アクリルフォトポリマーからインクの残留物・ほこり・汚れを取り除くことが不可欠です。クリスチャンセンプリント社では、この作業はtesa®Twinlockアクティベーションマシンで完全に自動化されています。大規模なスリーブだったため、同社と緊密に協力してマシンを設計する必要がありました。
洗浄剤として使用するアクティベーターは引火温度の高いアルコールであるため、爆発に注意する必要はありません。蒸気は密封された系から抽出されます。

大幅な廃棄物の削減​
何よりもまず、tesa®Twinlockは印版固定用テープの使用量を減らして廃棄物をなくすことで、CO₂排出量を改善することができます。現在、クリスチャンセンプリント社では毎週ごとの廃棄物がコンテナ三つ分ずつ少なくなっており、製品の持続可能性の向上が目に見えて明らかになっています。 これは、一年間ではサッカー場8つ分もの量に相当します。同社がtesa®Twinlockに切り替えた元々の理由は環境面と経済面でのメリットでしたが、それに付随して印刷性能の向上という結果も得ることができました。

プロジェクトデータの概要:

  • 2018年7月にプロジェクトが開始
  • テープからtesa®Twinlockへの切り替えのプロジェクト期間は3か月
  • 300台のtesa®Twinlockを使用
  • 印版取り付けテープの8つのサッカー場に相当する節約
  • 最大20~30%高い仕立て速度
  • 2.5年後には投資が回収可能