接着力の決め手は配合

粘着テープの性能の決め手は配合

粘着テープの性能や特徴

テープや粘着剤が必要になる用途は千差万別です。1000種類以上の樹脂と100種類のエラストマーの組み合わせが、硬さ、食い付きの良し悪し、そして接着力の耐久性を決定します。

粘着テープにはそれぞれ特徴があります。 例えば、ある粘着テープは、お客様のお子様が数学のテストでクラストップの成績を取ったときの解答用紙を冷蔵庫に貼り付けるために使われたりします。一方で、ある粘着テープは、お客様の車のテールゲートに半永久的にエンブレムを固定する目的で使われます。このテープの場合は、悪天候や暴風にも何十年と耐えるものでなければなりません。 粘着テープは多種多様な場面で使用されます。テサでは7300種類以上の製品を取り揃えており、その用途は無尽蔵と言ってよいでしょう。

天然ゴムは、質の高いテープの製造に欠かせない原料のひとつです。
天然ゴムは、質の高いテープの製造に欠かせない原料のひとつです。

なぜ粘着テープは貼りつくのか?

粘着テープが貼りつくためには粘着剤が必要です。 粘着テープには、いわゆる感圧粘着剤が使用されています。 感圧粘着剤は恒久的に粘着力を保ち、十分な圧力がかかったときに被着体の表面に接着するという物質です。 粘着力を引き出すために化学反応を必要としません。 正しい粘着剤を選ぶには、次の2つの条件が満たされていることを確認する必要があります。ひとつは、テープと被着体が一定期間しっかりとくっついていること(粘着力)。 もうひとつは、粘着剤そのものの内的な結合力が、用途を満足する強度であることです(凝集力)。

上記のふたつの条件は用途によって変わるため、用途にぴったりな粘着テープを作るためには、1000種類以上の樹脂と100種類のエラストマーから適切なゴムやアクリルを選択しなければなりません。 必要に応じて、プライマーを使うことで、粘着剤の基材へのアンカー力を高めることもあります。 また、基材に使う素材を変えることで、粘着テープにさまざまな性能を持たせることが可能です。 基材の素材には、紙やフィルム(プラスティックや合成素材)、布、金属などがあります。

粘着剤、基材、プライマーなどを正しく組み合わせることが、用途に合った粘着テープを作る上で欠かせません。

なぜ7300種類もの粘着製品が必要なのでしょうか?

背景は複雑ですが、説明は簡単にできます。 優れた粘着テープとは、それぞれの用途にピッタリ合ったテープだからです。 しかし、用途や使い方は千差万別です。 時として、1000分の数秒という短い時間での接着が求められることもあります。製紙産業における高速での枠替え(原反ロールのつなぎ)はその一例です(フライングスプライス)。

その他にも粘着テープは、飛行機内で洗面台の鏡を固定したり、自動車内で異音や振動を抑えるために使われています。このような用途では、数年経っても低下しない粘着力が求められます。 さらに、新車を輸送する際に塗装面を保護したり、塗装作業時に壁や壁紙を塗料で汚さないように保護したりする目的でも使用されます。 当然ながら、テープをはがす際にのり残りがあってはいけません。

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テサは産業、職人、そして一般消費者向けに多様なテープを取り揃えています。

粘着テープは、スマートフォンの組み立てにも使われます。 タッチスクリーンのラミネート加工には粘着テープを使用します。ここでは、温度や湿度の変化、そしてスマホを落としてもユーザーの皆さんをがっかりさせないための耐衝撃性も求められます。 用途ごとに、適切な粘着剤と基材、そしてその理想的な組み合わせが必要なのです。

粘着テープは、意外な場面でも使われています。例えば、冷蔵庫のフロントパネルやディスプレイの固定、電化製品の表面の保護、戸建て住宅のエネルギー効率を高めるための窓のシーリング、自動車部品の偽造を防ぎ、エンジンルームの過酷な条件にも耐える偽造防止ラベルや部品固定テープ、携帯電話のスピーカーの音を伝導するテープ、油田から海中へ延びるパイプラインの保護に使用されるテープなど枚挙に暇がありません。

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スマートフォンには45種類にも及ぶ粘着テープが使われています。
tesa® ACXplusの地震耐久テスト

tesa® ACXplusの地震耐久テスト

tesa® ACXplusの地震耐久テスト

高層ビルも粘着テープで建てることができるでしょうか?

できると言ってもよいでしょう。 高層ビルにも、粘着テープで接着されている部分が数多くあります。 高性能のアクリルコアテープは(tesa® ACXplus)は、高い粘着力に加え、応力を分散する機能や温度や天候に対して優れた耐性を備えているため、ガラスやアルミ製のファサード(建物の外装部品)の固定に使われ、 その粘着力の強さは、サイクロンや2010年にチリで起きた歴史上最大の地震にも耐えられるレベルとなっています。